ストーマ生活ではお風呂が大変。
大腸に穴が空く病気に見舞われて、
手術を受けたのち、一時的なストーマ生活を余儀なくされました。
虚血性大腸炎で1週間入院の後のS状結腸穿孔(大腸に穴が空く)。
入院期間は通算して3週間に及びました。
退院するためには、
「一人でストーマパウチの処理と交換ができること」だそう。
一人でできるまで、なんだかんだと2週間もかかってしまいました。
退院してからも、日常生活ではなれないことばかり。
その中でも大変だったのがお風呂。
ストーマパウチは防水設計らしいのですが、
それでも粘着部分がぬれると、それはそれで剝がれやすくなるのでは?
という不安がありました。
やっぱり外出先で剥がれたりしたら嫌ですからね。
そんなわけで、湯船につかるのは3日に1回。パウチ交換の日だけ。
日頃はシャワーのみという生活に。
シャワーを浴びる際にはどうするかというと、
ストーマパウチを100円ショップで売っているようなビニール袋で覆い、
4辺を防水テープなどで止める、ということをしていました。
最初は一人でできず、シャワーを浴びるたびに妻に手伝ってもらう始末。
それでもどこから入り込むのか、水の侵入は完全に防げず、
ある程度パウチは濡れてしまいます。
シャワーを浴びるだけでも本当に一苦労。
シャワーあがりに、濡れたパウチを乾燥させるのに使っていたのが、
これまた100円ショップで売っているタオル地のヘアキャップ。
それをパウチにかぶせるとちょうどいいサイズになります。
3日に1回はパウチ交換の日。
まずはお風呂に入る前に準備しておくものがあります。
それは、
交換用のストーマパウチ、スムーズリムーバー、用手成形皮膚保護剤、
粉状皮膚保護剤、消臭潤滑剤、不織布ガーゼ、不織布テープ、
中の見えない黒ビニール袋、蓋つきゴミ箱、ウェットティッシュ、
洗濯バサミ、そして普通のハサミ。
これらを用意してから風呂に入らねばなりません。
当然ながら、パウチの中のお通じは予めトイレに廃棄しておきます。
風呂に入り、全身をくまなく洗った後、パウチを付けたまま湯船にジャプン。
でもここからが大変。
ちょうど、時期が9月~11月にかけてという寒くなる時期のことでしたから。
ある程度、身体が温まったら、上半身だけ水気をタオルで拭き、
Tシャツなどを着ます。肌寒いですからね。
Tシャツの前の方が濡れないように洗濯バサミで捲り上げます。
そしていよいよ、スムーズリムーバーを使いながら、
パウチの粘着面をゆっくり剝がしていきます。
パウチが皮膚面から完全に剥がれたら、
ストーマ周辺についたお通じをウェットティッシュで軽く拭き取ります。
剥がしたパウチとウェットティッシュをすぐに捨てられるよう、
ゴミ箱が風呂場の近くにあったら便利ですね。
そして、弱酸性のボディソープで
弱酸性なので、ビオレUがちょうどよいみたいですね。泡立ちもいいし。
ストーマをきれいにするのと同時に、粘着をしっかり洗い流します。
洗い終わったら、ここからがスピード勝負。
ムニュムニュっとお通じが出ないよう、ストーマに不織布ガーゼを当てて、
その間に全身の水気をタオルでふき取ります。
自分のストーマの形に合わせて、用手成形皮膚保護剤を適量ハサミで切り、
指先でちょうどよいサイズに形成していきます。
そしてそれをストーマ周辺に貼り付けます。
その隙間の部分がただれたり炎症が出来たりするため、
用手成形皮膚保護剤をジャストサイズで貼付するわけです。
ちなみに僕の場合は、ストーマ周辺の炎症やただれ、
かゆみがひどかったので、結構大変でした。
さて、この間にもお通じがムニュムニュ出ないか心配は続きます。
炎症が起こっている部分に粉状皮膚保護剤を散布。
そして、新しいストーマパウチの粘着部分を手の熱で温めておきます。
そうすることで粘着力が増すのだそうです。
新しいストーマパウチの中に潤滑消臭剤を入れて馴染ませます。
隙間やゆがみが出来ないよう、慎重に。
ストーマの下の方が影になって見えないことと、
前かがみで張り付けると剥がれやすくなるそうですから、
毎回、ゆがみがないかまっすぐか、横から妻に見てもらいながらペタリ。
ここでようやく、一段落着くわけです。
これがオストメイト時代の僕のお風呂事情でした。
パウチの中のお通じ処理も大変ですが、
お風呂やシャワーも結構大変です。
毎日のことですから。